宮崎の夏は、日差しの強さと湿度の高さが重なります。夏祭りや納涼祭、屋外での物販イベント、企業の周年行事など、この時期の準備についてご相談をいただくとき、企画の内容そのもの以上に「暑さへの備え」が当日の運営を左右する場面が増えてきました。
主催者の立場で考えたい暑さ対策は、大きく二つに分かれます。一つは来場者の安全、もう一つは会場をつくるスタッフの安全です。来場者向けの日陰や給水は意識されやすい一方で、設営と撤去の時間帯こそ炎天下の作業になりやすく、ここへの手当てが後回しになりがちです。
この記事では、宮崎県内でイベント会場の設営を担っているレントオール宮崎の現場目線から、主催者が準備しておきたいイベントの熱中症対策を「来場者向け」「スタッフ向け」「備品」「スケジュール」の順に整理しました。次の夏に向けた、イベント準備のチェックリストとしてお使いください。
イベントの熱中症対策が欠かせない理由

屋外イベントの暑さは、気温の数字だけでは測れません。近年は「暑さ指数(WBGT)」という指標が広く使われています。これは気温に加えて湿度や日射・輻射(地面やアスファルトからの照り返し)まで含めて暑さを評価する考え方で、湿度の高い宮崎の夏は、気温が同じでも体にかかる負担が大きくなりやすい傾向があります。
来場者の側には、屋外で長時間過ごすという事情があります。会場に着くまでの移動、受付での待ち時間、観覧席での滞在。それぞれは短く見えても、合計すると数時間になることも珍しくありません。特に小さなお子さまや高齢の方は、暑さの影響を受けやすい傾向があります。
そしてもう一方に、会場をつくる側の事情があります。設営はイベント本番の前、撤去は本番のあと。どちらも日中の暑い時間帯に重なることが多く、しかも重量のある資材を運ぶ体を使う作業です。来場者向けの対策と設営スタッフ向けの対策は、性質が違うため別々に考えたほうが漏れが出にくくなります。
来場者のための暑さ対策

来場者向けの対策で土台になるのは、日陰をどれだけつくれるかです。テントやパラソルを、単に空いている場所に置くのではなく、「人が滞留する場所」から順に配置していくと効果が出やすくなります。優先度が高いのは、受付や検温などで列ができる場所、観覧席、飲食スペース、そして救護のためのスペースです。
日陰を考えるときは、太陽の動きも計算に入れておきたいところです。午前中に日陰だった場所が、午後には日なたに変わります。会場図を引く段階で午前と午後の日当たりを書き分けておき、時間帯によって影が動く前提で配置を決めておくと、当日の慌ただしさを抑えられます。テントの側面にサイドシート(横幕)を付けると、低い角度から差し込む西日をやわらげる助けになります。
給水と休憩の場所は、できるだけ分かりやすい位置に設けます。会場の奥まった場所に置くと、暑さで動くのがつらい方ほどたどり着けません。動線上、来場者が自然に通る場所に休憩スペースを置き、看板やアナウンスで場所を繰り返し伝えると利用されやすくなります。飲み物を配布する場合は、受け取る列が日なたに伸びない位置取りをおすすめします。
あわせて、救護スペースの準備も進めておきたい項目です。日陰と椅子、そして体を冷やせるものを置ける場所を確保し、運営スタッフの誰に声をかければよいかを掲示しておく。開会のアナウンスで「体調が悪くなったら遠慮なく声をかけてください」と一言添えるだけでも、来場者が動きやすくなります。
設営スタッフのための暑さ対策

現場で作業する側の対策は、服装から始まります。レントオール宮崎では、現場作業でのハーフパンツや、ファンで服の中に風を送り込む作業着の着用について、全社に一斉に周知しています。作業服は見た目の統一感も大事ですが、暑さの厳しい時期は動きやすさと涼しさを優先できるよう、社内のルールを共有しておくという考え方です。
水分と塩分の補給は、手軽に取れるかたちで用意しておくと続きます。当社では熱中症対策として、現場のスタッフに梅干しを配布しています。特別な道具はいりませんし、塩分だけでなく「そういえば水を飲んでいなかった」と気づくきっかけにもなります。飲料は、休憩場所にまとめて置いておき、いつでも手が届く状態にしておくと安心です。
そして、意外に効くのが声かけの習慣です。当社では朝礼で体調を確認し、仲間同士で声をかけ合うよう促しています。熱中症は、本人が「大丈夫」と思っているうちに進むことがあります。顔色や汗の出方、言葉の反応といった変化は、隣で作業している人のほうが気づきやすいものです。互いに見合う空気をつくっておくと、早めに休憩へ入れます。
作業の段取りそのものを見直すことも対策になります。重い資材を運ぶ工程を、気温が上がりきる前の時間帯に寄せる。休憩を最初からスケジュールに入れておく。人数に少し余裕を持たせて、交代しながら進める。主催者側で設営を手伝う場合も、同じ考え方で人員配置を組んでおくと無理が出にくくなります。
2025年6月から、職場の熱中症対策が義務になりました
2025年6月1日から、労働安全衛生規則の改正により、職場での熱中症対策が事業者に義務づけられました。対象になるのは、暑さ指数(WBGT)28度以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行われる見込みの作業です。夏の屋外イベントの設営・撤去は、この条件にあてはまることが少なくありません。
求められているのは、大きく二つです。一つは、熱中症の症状が出た人や、その疑いがある人に気づいたとき、すぐに報告できる体制を整えて、作業する人に知らせておくこと。もう一つは、作業から外す・体を冷やす・必要に応じて医療機関へつなぐといった対応の手順を決めて、同じく知らせておくことです。
スタッフを雇って設営を行う場合や、協力会社に作業をお願いする場合は、「体調が悪くなったら誰に伝えるか」「そのとき誰がどう動くか」を事前に共有しておきましょう。制度の詳しい内容は、厚生労働省の案内や最寄りの労働基準監督署でご確認ください。
レンタルで用意できる暑さ対策の備品

暑さ対策の備品は、そろえようとすると意外に品数が多くなります。年に一度か二度のイベントのために買いそろえるより、レンタルでまとめて手配したほうが保管の負担も含めて軽く済むケースがあります。
日陰づくりの中心になるのはテントと、横から日差しを防ぐ横幕(サイドシート)です。空気を動かす工場扇やサーキュレーター、屋内やテントの中を冷やすスポットクーラー、飲み物を冷やしておくクーラーボックス、休憩スペースに置くテーブルと椅子も、あわせて検討されることが多い品目です。夜まで続くイベントであれば、照明もセットで考えておくと動きが読みやすくなります。
電源のない会場でも大丈夫です
扇風機やスポットクーラー、照明は電気を使いますので、会場に電源がない場合は発電機をあわせて手配します。
比較的軽い電力で足りる場合は、ポータブル発電機(0.9kVA/1.6kVA/2.8kVA など)をご用意します。延長コードやコードリールがあれば、そのままお使いいただけます。
ステージの音響・照明を本格的に使う場合や、複数のブースへ電源を分ける場合は、大型発電機(25kVA/45kVA/60kVA など)が必要です。こちらは電気工事を伴います。電気工事についても対応できますので、使いたい機器をお伝えいただければ、必要な容量をご提案します。
▼ この記事で紹介した備品
品目を選ぶときは、会場の条件から逆算するのが近道です。地面が土か芝かアスファルトかによってテントの固定方法が変わりますし、電源の位置や容量によって使える機器が決まります。搬入経路の広さも、運び込める資材の大きさに影響します。会場の下見の段階からご相談いただければ、条件に合う組み合わせをご提案できます。
直前に慌てないための準備スケジュール

暑さ対策は、当日の朝に思いついても間に合いません。逆算して、決める順番を先に整理しておきましょう。
まず、開催の1か月ほど前までに決めておきたいのは、会場図と備品の数量です。日陰をどこにつくるか、休憩と救護の場所をどこに置くか。この二つが決まると、テントの張り数やテーブル・椅子の数がおおよそ見えてきます。搬入経路と搬入日、設営と撤去の時間帯も、この段階で押さえておきたい項目です。夏祭りや運動会のシーズンは手配が重なりやすいため、早めのご相談をおすすめします。
開催の2週間ほど前には、当日の人員配置を固めます。誰が設営に入り、誰が救護に対応し、休憩をどう回すか。ここを紙に書いておくと、当日の判断が速くなります。同時に、天候が崩れた場合や暑さが厳しい場合の判断基準も、この時点で決めておきましょう。「誰が」「何を見て」「いつまでに」判断するのかを言葉にしておくと、当日に迷いません。
前日から当日は、天気予報と熱中症警戒アラートの確認、飲料と氷の手配、そして朝の体調確認です。当日の朝は準備に気を取られやすいので、確認項目を一枚のチェックリストにしておくと抜けを防げます。
まとめ

夏のイベントの暑さ対策は、「来場者」と「スタッフ」の両輪で考えると漏れが出にくくなります。来場者向けには、人が滞留する場所から順に日陰をつくり、給水と休憩の場所を分かりやすい位置に置くこと。スタッフ向けには、服装・水分と塩分・声かけ・段取りの四つを整えること。そして必要な備品は、レンタルでまとめてそろえられます。
会場の広さと想定の来場者数、開催の時間帯をお伝えいただければ、必要な備品と数量の目安をご提案します。「何をいくつ借りればよいか分からない」という段階からのご相談も歓迎しております。会場の下見からお手伝いできますので、まずはお気軽にご相談ください。
ご利用の手順はレンタルの流れ、料金の考え方は料金システムのページでご案内しています。
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